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恵庭市・探偵事務所のコラム この通帳を娘に渡してください・・・

(株)アイシン探偵社  代表の高橋です。

当社は恵庭市を含め、北海道全域で様々な調査を承っております。

今回は『この通帳を娘に渡してください・・・』について。

以前、同じ内容でご依頼をいただき、

そのときのことをブログで書かせていただいていた。

そのブログを読んでいただいていたWさんから

「私もお願いしたい」と依頼をいただいた。

Wさんからご了解をいただいたので内容を書かせていただきます。

Wさんは53歳・・・・ 探偵と同じ年齢です。

Wさんは口数少なく、当時のことをお話になられる。

25年前にE子さんと結婚し、翌年、女の子(N子ちゃん)が産まれた。

3年後のある日、家に帰るとE子さんとN子ちゃんがいなくなっており、

テーブルの上に置手紙と離婚届けがあったそうだ。

内容は「私には好きな人がいます」

「これ以上、、偽りの人生を歩むことはできません」

「離婚してください」とだけ書かれていたらしい。

当時、Wさんは何がなんだか分からず、途方にくれていた。

E子さんの実家に行き、話を聞いたのだが、E子さんの両親はただ謝るばかり。

E子さんは、Wさんと結婚する前に交際していた男性がいたそうだ。

その男性とは縁がなく、E子さんは失恋したそうだ。

そしてWさんと知り合い、結婚に至る。

だが、その後もE子さんはその男性が忘れられずにいたそうだ。

そして、ある日、その男性と会ったE子さんは

自分の感情を止めることができなかったらしい。

そのような内容をE子さんのお母さんから聞いたWさん。

そして、Wさんは離婚を承諾した。

E子さんは養育費はいらない・・・

そしてN子には大人になるまで会わせない・・・と自分勝手な要求をしてきた。

それでもWさんはその条件を受けいれた。

一人になってから、家の中を整理しているとN子さんの名前の通帳が出てきた。

N子さんが生まれて、記念に作った積み立てをするため通帳であった。

Wさんはその通帳に毎月、5万円を積み立てていた。

いつかN子さんが結婚をするときにその通帳を渡そうと思っていた。

Wさんの唯一の楽しみは一年に一度くらい届く、N子ちゃんの写真であった。

E子さんの母親がWさんに送ってくれていたそうだ。

そして、E子さんはその時の男性と結婚し、

N子さんはその男性を父親と思って成長しているそうだった。

そんな話もE子さんのお母さんから伝え聞いていた。

そして、22年の歳月が流れた。

E子さんのお母さんから手紙が届く。

9月3日 N子が結婚式を挙げます・・・と。

Wさんは嬉しかった。

あのN子が結婚する・・・・ Wさんはもういつ死んでも幸せだと思った。

でも、その前にすることがあった。

N子に通帳を渡さなければならない。

だが、E子さんの今の家庭に波風を立てたくない。

E子さんのお母さんに預け、渡してもらうことも考えたが・・・・・

そんな時、探偵のブログが目にとまり、

自分も探偵にお願いしようと考えたそうだ。

そしてWさんは探偵を訪ねてこられました。

ここで問題は3つ。

1つ目はE子さんの住所を調べる。

2つ目はE子さんの家庭に波風を立てず、直接N子さんに通帳を渡す。

そして3つ目はWさんの存在を言うべきか? であった。

1つ目はWさんの娘であるN子さんの住所を

確認することは探偵の調査で可能である。

2つ目の問題もE子さんに気づかれずにN子さんに接触することも可能である。

3つ目の問題が一番の悩みであった。

Wさんはできれば、自分の存在を隠して渡してほしい・・・との希望であった。

だが、WさんがN子さんに貯めていた通帳の金額は1300万以上の金額である。

毎月、25日に必ず5万円を入金していた。

探偵が見させていただくと22年間、1ヶ月も欠かさずに積み立てをされていた。

そんな通帳をWさんの存在を隠して渡すことなど不可能である。

そもそもN子さんが気味悪がるだろう。

探偵はWさんに言いました。

「Wさん、N子さんも大人です、事実を伝えましょう」・・・・と。

Wさんはシブシブ探偵の提案を受け入れてくれた。

そして、探偵はN子さんの住所を調べ、仕事のパターンも確認した。

N子さんは土曜日、日曜日、祭日が休み。

ある土曜日、当社の女性スタッフがN子さんの自宅にうかがう。

今までの経緯、Wさんから預かった通帳、

Wさんが今までずっと独身であり、N子さんへの想いを伝えた。

最初は何がなんだか分からないN子さんだった。

いろいろと話をしたが、N子さんは通帳を受け取ってくれない。

それどころか、Wさんを連れてきてほしいと探偵に強く要望された。

早速、Wさんにそのことを伝えた。

今度はWさんが困惑したのだが、探偵も説得をし、翌日の日曜日に

再度、N子さんの家に伺った。

ピンポーン・・・・・

N子さんの部屋のドアが開いた。

N子さん  「どうぞ」

Wさん   「ア・ア  ハイ」

探偵と女性探偵も一緒にあがらせえていただいた。

最初はぎこちないN子さんとWさん。

でも、N子さんが少しずつ話しを始めた。

N子さん  「遊園地に連れてってくれましたよね」

Wさん   「ウン・・・・」

N子さん  「公園によく連れてってくれていましたよね」

Wさん   「ウン・・・・・」

N子さん  「海に連れてってくれましたよね」

Wさん   「ウン・・・・・」

N子さんは少しだけWさんの記憶を思い出していた。

そして昨日、実家に立ち寄り、そっとアルバムを見てみた。

N子さんだけが切り取られた写真がたくさんあったそうだ。

おそらく切り取られた部分はWさんだったのだろう。

WさんとN子さんは泣きながら、いろいろと話をされた。

最後に通帳の件になるとN子さんは受け取ることについて

譲れない条件を突きつけてきた。

いっぺんに全部をいただくことは絶対にできません。

結婚式のお祝いとして10万円を下さい。

そして、、毎月2万円ずつください。

長生きして私に毎月のお小遣いをください。

そうでなければ、1円のお金も受け取れません。

N子さんの表情は泣きながらも、硬い表情だった。

Wさんもその気迫におもわず「ハイ」と答えてしまった。

そして、N子さんの最後の条件は「私の結婚式に出てください」とのことだった。

帰りがけ、Wさんはずっと泣いていた。

Wさん  「高橋さん、俺・・嬉しいよ」

「生きていた良かった、嬉しいよ」

「俺、いつ死んでもいいと思って生きてきた」

「でも、これからは毎月、N子にこづかいを送らなければならない」

「長生きしなければならない」

「俺、タバコ・・・やめるわ」

探偵ハッキリと言います。

Wさん・・・・良かったね。

長生きしましょうね。

 

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